花嫁は婚約者X(エックス)の顔を知らない
桜に集う
4月になり初の登校日。
3クラスしかないのでクラス替えといってもあまり変わらないと聞いた。
ほとんどの人がそのまま大学まで進むので高校三年生ならではの大学受験におけるピリピリとした緊張感がなく、他校に比べると割と穏やかな学年だと先生が言っていた。
また、咲良さん、深雪さんと同じクラスになれたらいいな。
ピロティの壁に張り出されたクラスの一覧から自分の名前を探す。
「C組だ!咲良さんと深雪さんは!?」
「私は琴乃さんと同じCです!」
「わたくしだけB組ですわ…。」
残念なことに咲良さんだけ分かれてしまった。
「琴乃ちゃーん!私たち同じクラスよ~!」
牧野さんが駆け寄ってきた。
「ほんとに!?これから一年よろしく!!」
同じクラスに仲良しがいるのはとても嬉しい!
「琴乃!僕も一緒だよっ!毎日通わなくてすむ~!」
「えっ?」
振り返ると古賀くんが抱き着こうとしてきたのだが…。
『ドンッ』
「痛っ!」
「残念だったな古賀、俺も同じクラスだ。」
「真宮くん?」
抱き着こうとする古賀くんと私の間に学生カバンを投げ込んできたので、カバンと古賀くん顔面がぶつかった。
「なんだよー真宮も同じクラスかよー…。いつも邪魔ばっかしやがって!」
「こいつには婚約者がいるんだ。いい加減あきらめろ。」
「どこの誰かもわからない男に琴乃はやらん!」
「やだぁ~!古賀くん、それじゃぁ、琴乃ちゃんのお父さん見たぁい!」
「『娘はやらん!』的な発言でしたね。」
「牧野と横山は黙ってろ!僕は真剣なんだ!」
古賀くんがいるところにはいつも笑いが起きていた。
「そーいや、修治も同じクラスだって。」
「柳くんも同じクラスなんだ!真宮くんのお世話で大変だあ~。」
「ですわね。あまり迷惑をかけないようにお願いしますわ!真宮くん。」
「んなことねぇよっ!」
「そうそう、俺も同じクラスだよー!よろしくね!ってか、そろそろ教室に行かないと欠席になるぞー!」
みな、落ち着きを取り戻せないまま新しいクラスへと向かった。
教室に入ると出席番号順に席に着くように黒板に指示が書かれていた。50音の前半にる私と古賀くんは偶然にも席が前後いなっていた。(内田、古賀の順)
そして、50音後半組はぐちゃっと一塊になっていてそこはそこで楽しそうだった。(牧野、真宮、柳、横山の順)
「きれいに二つに分かれちゃったね…。あっちの方が人数多いから楽しそう…。」
「ん?僕は琴乃と二人で嬉しいよ!ざまーみろ真宮!」
「古賀くん、なんか悪そうな顔してるよ…?」
「気のせいだよー。僕はいつも良い子だから〜。」
「…あはは。」
ハプニングだらけの一年になる予感がした。
3クラスしかないのでクラス替えといってもあまり変わらないと聞いた。
ほとんどの人がそのまま大学まで進むので高校三年生ならではの大学受験におけるピリピリとした緊張感がなく、他校に比べると割と穏やかな学年だと先生が言っていた。
また、咲良さん、深雪さんと同じクラスになれたらいいな。
ピロティの壁に張り出されたクラスの一覧から自分の名前を探す。
「C組だ!咲良さんと深雪さんは!?」
「私は琴乃さんと同じCです!」
「わたくしだけB組ですわ…。」
残念なことに咲良さんだけ分かれてしまった。
「琴乃ちゃーん!私たち同じクラスよ~!」
牧野さんが駆け寄ってきた。
「ほんとに!?これから一年よろしく!!」
同じクラスに仲良しがいるのはとても嬉しい!
「琴乃!僕も一緒だよっ!毎日通わなくてすむ~!」
「えっ?」
振り返ると古賀くんが抱き着こうとしてきたのだが…。
『ドンッ』
「痛っ!」
「残念だったな古賀、俺も同じクラスだ。」
「真宮くん?」
抱き着こうとする古賀くんと私の間に学生カバンを投げ込んできたので、カバンと古賀くん顔面がぶつかった。
「なんだよー真宮も同じクラスかよー…。いつも邪魔ばっかしやがって!」
「こいつには婚約者がいるんだ。いい加減あきらめろ。」
「どこの誰かもわからない男に琴乃はやらん!」
「やだぁ~!古賀くん、それじゃぁ、琴乃ちゃんのお父さん見たぁい!」
「『娘はやらん!』的な発言でしたね。」
「牧野と横山は黙ってろ!僕は真剣なんだ!」
古賀くんがいるところにはいつも笑いが起きていた。
「そーいや、修治も同じクラスだって。」
「柳くんも同じクラスなんだ!真宮くんのお世話で大変だあ~。」
「ですわね。あまり迷惑をかけないようにお願いしますわ!真宮くん。」
「んなことねぇよっ!」
「そうそう、俺も同じクラスだよー!よろしくね!ってか、そろそろ教室に行かないと欠席になるぞー!」
みな、落ち着きを取り戻せないまま新しいクラスへと向かった。
教室に入ると出席番号順に席に着くように黒板に指示が書かれていた。50音の前半にる私と古賀くんは偶然にも席が前後いなっていた。(内田、古賀の順)
そして、50音後半組はぐちゃっと一塊になっていてそこはそこで楽しそうだった。(牧野、真宮、柳、横山の順)
「きれいに二つに分かれちゃったね…。あっちの方が人数多いから楽しそう…。」
「ん?僕は琴乃と二人で嬉しいよ!ざまーみろ真宮!」
「古賀くん、なんか悪そうな顔してるよ…?」
「気のせいだよー。僕はいつも良い子だから〜。」
「…あはは。」
ハプニングだらけの一年になる予感がした。