花嫁は婚約者X(エックス)の顔を知らない
部屋の間取りを知り尽くしている真宮くんは一直線に鳴り響く電話へと向かい受話器を取った。
「もしもし。…ああ、もう、入ってきて大丈夫だ。」
真宮くんが受話器を置くと柳くんのお兄さんが入ってきた。
「お嬢さん大丈夫ですか??」
「はい。大丈夫です。」
普通にソファーに腰かけている私を見てホッとした表情に変わる。
「晴翔、普段冷静過ぎるほどなお前がどうしたんだ!?あんなに感情をむき出しにして…。携帯に連絡しても繋がらないし、警察呼ぶはめになるかと思ったぞ!!」
「好きな女が俺の知らなところで男とキスをしたって聞いたら吹っ飛んだ。」
「はぁっ!?お前がか?…ってことはこの子が例の…?」
「修作、それ以上言うな。」
「…あぁ、そっか、悪い。」
「『例の』って何のはなし?」
気になったので二人にきいてみる。
「…大したことじゃない。お前が俺の好きな女ってことだ。」
なんだかごまかされた様な気がした。こちらに背を向けると、そのあとも二人でコソコソと会話を続けていた。
「あちらへの連絡は?」
「夜にでも俺から連絡する。」
「そうか…。わかった。」
何かを了承し、チラッとこちらを見た。
「晴翔とは10年以上の付き合いだが、こんな晴翔を初めて見たよ。よっぽど相手に嫉妬したようだね。しかもその相手が自分なんて良いネタを貰ったよ。コイツに困ったことがあれば気軽に電話しておいで。」
お兄さんは名刺を取り出すとプライベートの携帯番号を書き私に渡してきたので受け取ろうとしたのだが、スッと真宮くんの手が伸びて名刺を奪い取る。
「例え相手が秀作でも男と連絡取り合うのは嫌だ。」
奪い取った名刺をヒラヒラさせながらお兄さんに渡した。
「はっ?お前マジか!?」
お兄さんは目を丸くして驚いていた。
「修治から噂は聞いていたがここまでとはなっ。どうする?まだこの部屋使うか?」
「いや、もう出るよ。」
ポケットからカードキーを取り出しお兄さんに渡した。
「琴乃、作戦変更だ。必ずお前の口から俺のことを好きだと言わせてやる。」
人前なのに気にせずに頬にキスをする。
「えっ!?」
ビックリして真宮くんを見るといつものようにニヤリと笑っていた。
こんなのが続いたら心臓がいくつあっても足りない…。すでに真宮くんの事好きなのに婚約者がいるから言い出せないだけなのだ。
部屋から出ると真宮くんの私に対する態度はガラリと変わっていた。
「もう、隠さなくて良いからな!」
指を絡めて手を繋いで離してくれない…。
「ずっと、こうしたかったんだ。」
繋いだ手にキスをし私が大好きな優しい笑顔で微笑んだ。
「もしもし。…ああ、もう、入ってきて大丈夫だ。」
真宮くんが受話器を置くと柳くんのお兄さんが入ってきた。
「お嬢さん大丈夫ですか??」
「はい。大丈夫です。」
普通にソファーに腰かけている私を見てホッとした表情に変わる。
「晴翔、普段冷静過ぎるほどなお前がどうしたんだ!?あんなに感情をむき出しにして…。携帯に連絡しても繋がらないし、警察呼ぶはめになるかと思ったぞ!!」
「好きな女が俺の知らなところで男とキスをしたって聞いたら吹っ飛んだ。」
「はぁっ!?お前がか?…ってことはこの子が例の…?」
「修作、それ以上言うな。」
「…あぁ、そっか、悪い。」
「『例の』って何のはなし?」
気になったので二人にきいてみる。
「…大したことじゃない。お前が俺の好きな女ってことだ。」
なんだかごまかされた様な気がした。こちらに背を向けると、そのあとも二人でコソコソと会話を続けていた。
「あちらへの連絡は?」
「夜にでも俺から連絡する。」
「そうか…。わかった。」
何かを了承し、チラッとこちらを見た。
「晴翔とは10年以上の付き合いだが、こんな晴翔を初めて見たよ。よっぽど相手に嫉妬したようだね。しかもその相手が自分なんて良いネタを貰ったよ。コイツに困ったことがあれば気軽に電話しておいで。」
お兄さんは名刺を取り出すとプライベートの携帯番号を書き私に渡してきたので受け取ろうとしたのだが、スッと真宮くんの手が伸びて名刺を奪い取る。
「例え相手が秀作でも男と連絡取り合うのは嫌だ。」
奪い取った名刺をヒラヒラさせながらお兄さんに渡した。
「はっ?お前マジか!?」
お兄さんは目を丸くして驚いていた。
「修治から噂は聞いていたがここまでとはなっ。どうする?まだこの部屋使うか?」
「いや、もう出るよ。」
ポケットからカードキーを取り出しお兄さんに渡した。
「琴乃、作戦変更だ。必ずお前の口から俺のことを好きだと言わせてやる。」
人前なのに気にせずに頬にキスをする。
「えっ!?」
ビックリして真宮くんを見るといつものようにニヤリと笑っていた。
こんなのが続いたら心臓がいくつあっても足りない…。すでに真宮くんの事好きなのに婚約者がいるから言い出せないだけなのだ。
部屋から出ると真宮くんの私に対する態度はガラリと変わっていた。
「もう、隠さなくて良いからな!」
指を絡めて手を繋いで離してくれない…。
「ずっと、こうしたかったんだ。」
繋いだ手にキスをし私が大好きな優しい笑顔で微笑んだ。