シルバーブロンドの王子様が甘すぎる〜海を越えた子守り唄
「……ん」
頬に当たる暖かさで目が覚めて、ゆっくりまぶたを開くと。見慣れない天井が目に入り、天蓋付きのカーテンも視界に入る。
「え…ここ…どこ?」
広いベッドでゆっくり身体を起こすと、自分が裸ということに気づいて慌てて布団で身体を隠す。
ギシッと軋む音がした方を見て、体が固まった。
なぜか、カイルさんが裸で隣に寝ていたから。
「か、か、カイルさん!」
「おはよう、くるみ」
「な、な…ななななんで、は、裸……」
「そうか、そうか。昨日の続きがしたいか。仕方ないわがまま姫だな」
気だるげに髪をかき上げるカイルさんは、艶っぽくてドキドキする…じゃなくて!
「あの…きゃっ!」
いきなり彼はわたしの肩を掴んで後ろに倒すと、そのまま上に覆いかぶさってきた。
「……見られてる。そのまま黙ってオレにされるがままになれ。それと、オレのことはカイルと呼び捨てしろ」
耳元で低く囁かれて、背筋がゾクッとする。
(見られてる…誰に?)
「オレを引き摺り落としたい連中だ」
まるでわたしの心がわかるように、カイルがそう答えてきて、ならばたぶん彼に従った方がいいと微かに頷いた。
「……ッ!」
いきなり耳を、噛まれた。
強くない甘噛みだけど。驚いて身体が跳ねる。
そのまま唇で喰まれて、あたたかい舌が耳朶を這う。
ぞくぞくが強くなって、涙が出てくる。でも、頑張って耐えなきゃ…。