シルバーブロンドの王子様が甘すぎる〜海を越えた子守り唄
「光輝……あなた、本当はエミリが本命だったんでしょ?わたしが浮気相手…って」
わたしがそう告げると、光輝の身体がビクッと震える。そして、ブルブル震えたあと…いきなり、カバリと土下座をした。
「すまなかった…!くるみ…許してくれ!!」
光輝は地面に頭をこすりつけ、懇願してきた。
「俺がバカだった!おまえの素晴らしさをわかろうともせず、エミリの色香に迷って…居なくなって、初めておまえの存在感がどれだけデカかったか……わかったんだ……」
ハラハラと涙を流す光輝。「大の男がみっともないよな…けど、俺はそれだけおまえを!」と一人盛り上がる。
確かに、以前ならわたしも同情していた。でも、今光輝に抱くのは…憐憫の情…憐れと思うだけだ。
「光輝」
わたしが名前を呼んだからか、光輝は顔を上げて目を輝かせる。しめしめ、と内心思っただろうな。
でも、わたしは容赦なく最後通牒を突きつけた。
「話は、それだけ?これ以上無駄な時間を過ごすつもりはないから、帰るわね。もうあなたとは二度と関わるつもりは無いから…もう、連絡もしてこないで。さようなら」
わたしはきっぱりと言い放ち、くるりと光輝に背を向けた。