【続】酔いしれる情緒
そしていつものように
アラームが鳴る少し前に目が覚めると
「………………」
今日は隣に春がいて
(…起きないかな)
そう思いながらジッと見つめていれば
「ん……」
その念が伝わったのか、春の目がゆっくり開いた。
まだ眠たそうでポヤポヤとした感じ。
目が合うと、彼はふにゃりと笑う。
「凛おはよー…」
この何気ない朝の出来事でさえも
今の私にとっては嬉しくて嬉しくて
「おはよっ、春」
この時の私、きっと満面の笑みだったと思う。
さっきまで眠たそうな目をしていたのに、この瞬間から春の目がパッチリと開いた。
あたたかい手で私の頬を撫でる。
「なんか嬉しそうだね」
「……うん。」
素直に頷いて
「起きたら…隣に春がいるの、嬉しい」
朝から春に対する想いが溢れ出てしまう。
素直にそんなことを言ってしまったけど、恥ずかしさは全くない。
もっともっと、この喜びを、春に伝えたくなった。
「凛が嬉しいなら俺も嬉しい」
そう言って春は私を引き寄せて抱きしめる。
私も春の背中に腕をまわした。