【続】酔いしれる情緒

「感動の再会なのに冷めるの早くない?」



そう言いながらもニヤニヤと笑っている彼。



「…なによ」

「本当はしたくてたまらないのにそうやって強がるところ。凛らしいなぁっと思って」

「(バレてるし…)」

「ほんと、染めがいがあるなぁ…」

「ん?なに?」



春がポツリと何かを言った気がしたけど


人が多いせいで聞き取れなく、聞き返したが



「んーん。なんでもないよ」



春はヘラっと笑って。



「っ、!」

「これからもっと俺色に染まろうね。」



また顔を近づけてきたからビックリして身を引いたが、椅子に座っているせいでこれ以上後ろには下がれない。


春の妖艶な笑みが瞳いっぱいに映り込む。



嗚呼、もう。

やっぱり私は、その瞳に弱い。



自分でも分かる。
身体が火照っていること。

熱くて熱くてたまらなくて
目の前にいる彼がすごく愛おしい。



「アンタ私に何かした…?」

「んー?何もしてないよ」



そういう割には何かに気づいているような、
そんな顔をして私の頬を優しく撫でる。



「あー…でも、」



心がふわふわと気持ちよくて



「誘惑はしてる、かな。」



甘く笑う春に釘付けになった。

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