【続】酔いしれる情緒
「っ、ん…」
その最中でも視線が合ってしまえば、クラッとしてしまうほど私はこの瞳に弱い。
この甘い刺激に身体が耐えきれなくなると、後ろに崩れ落ちてしまいそうになる私の腰に腕を回しては引き寄せ、再び深いキスが交わっていく。
(頭、回らない…)
私を見つめるその伏し目がちの瞳に見惚れ
この刺激を深く感じ
「凛」
とても甘い声で、私の鼓膜を刺激する。
今の私は、全身で春を感じていた。
触れ合っていた唇がふいに解かれると、
無意識にも「はあっ…」と息が漏れる。
ずっと夢中で触れ合っていたけど、呼吸の存在すら忘れて求めていたのだから、呼吸困難になりつつもあった。
息が乱れている私に対して
春は微かにしか乱れていない。
この差はなに……経験の差か?
だとすれば、ちょっとムカつく。
少しの苛立ちがありつつも、息をするのに必死な私は、今春がどこを見ているのかすら気づけずにいて。
「その顔、やばい。」
酷く落ち着いた声で囁かれたそれ。
ゾクリ、背筋が震える。
首元にキスを落とされながら、太腿の外側から内側へと移動していく手にゾクゾクと身体が震える。
落ち着きはじめていた呼吸もこのせいで再び乱れては、私じゃない甘い声が漏れた。
無意識にも逃げてしまいそうになった腰はしっかりと春の腕によって捕らえられる。
この時の春の顔は
なんだかとても艶やかで
「写真集だけじゃ実感出来ないこと、今からいっぱいしよっか。」
色っぽい顔をしていた。
帰国編[完]
番外編続きます↓↓↓