【続】酔いしれる情緒
「でも、なんで海に入るの怖いって教え───…っ!わっ!?」
あの疑問を聞こうとした瞬間、春は繋いだ手を引っ張り、私を連れて海辺の方へと駆け出した。
バシャーン!!と大きい音と共に水が跳ね、海の中へと入ってく私達。
「ちょっ、春、海、怖いんじゃ、っ、」
足の届かない所までやってくると、春は私を抱きかかえた。どうやら春はまだ足がつくらしい。
「うん。でももう怖くない。
1番怖いのは、凛がいなくなることだけだ」
そう言って春は再び歩き始める。
たどり着いた先は、まるで幻想的な洞窟のような場所だった。
「わぁ…すごい。綺麗…」
洞窟内に溜まった海水は陽の光に照らされて瑠璃色のような美しい青色に染まっていた。
「ここ前から行ってみたいと思ってたんだよね。
今、やっとこれたよ」
後ろから抱きしめられると
春は軽く振り向いた私にキスをした。
「しょっぱい…」
「しょっぱいね」
海水の味に2人して微笑んで、もう一度キス。
「………ちょっと、春」
「ん?」
「…さすがにダメ」
ずっとラッシュガードを着ていた私だけど、春は隙間から服の中へと手を侵入させる。