【続】酔いしれる情緒
ただ触れられているだけなのに息が乱れる。
外にバレてしまわないように必死に声を沈めた。
これは完全に私のミスだ。
一ノ瀬櫂の存在がバレないようにと
中に連れ込んだが、
狭い空間に2人っきり。ここがどこであろうと2人っきりになってしまえば、コイツはいつも欲情する。
いや……違うな。
欲情しているというよりも、私の反応を楽しんでいるだけなのかもしれない。
ほんと、悪ふざけが過ぎる。
誰かがここを開けたらコイツはこの状況をなんて説明する気なのだろう。
私の気持ちとは裏腹に春は動きを止めない。
地肌を撫でる手が徐々に上へと移動する度に脳内では警報が鳴りっぱなし。
ゾクゾクと背筋が震え、指先に力が入り
そして、遂には。
「ッ…!?はる…!!」
「シー。」
スカートの中にまで指先を侵入させた。
思わず声を上げてしまうと
春は小さくそう呟いては私を黙らせて
「見つかったら…怒られちゃうね?」
そう思うならやめろ!
目でそれを訴えてもまあ意味が無い。
だってコイツ、
「凛が可愛すぎるからイケナイんだよ」
心底楽しそうなんだから。