【続】酔いしれる情緒
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それから少し経ち、私は春に連れられてどこか高級感が漂う喫茶店のような場所にやってきた。


店員さんは春を一目見ると驚くことも騒ぐことも無く、慣れたように奥の個室へと案内。


ここにいる人たちは皆平然としているけれど、この対応に慣れていない私は少し戸惑ってしまうわけで。



「ちょっと休憩〜」



春は背もたれに深く身体を預けて座り込む。


机を挟んだ向かい側で私も同じように腰掛けるが、背筋は無意識にぴんと伸びた。



「ここ……よく来るの?」

「うん。よく利用させてもらってる」

「だから当たり前のように裏に案内されるのね」

「別にお願いはしてないんだけど、たぶん店側の気遣いで、かな。」



眼鏡、それからマスクを外して大きく伸びをする春。


緊張している私とは違い、完全にリラックスモードだ。



「1人で?」

「んーん。橋本さんとか関係者の人たちと。
はい、これメニューね。
ここティラミス美味しいよ」

「………………」



渡された物は1台のタブレット。


どうやらここから注文するらしい。


既に『抹茶ラテ』がタブレット上のカゴのようなマークの中に追加されているし、よく来ているだけあって春は迷うことなくそれに決めたようだ。


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