【続】酔いしれる情緒
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身体の関係があるなんてこと、そんなの今までにあって当たり前だと思う。

あの顔だ。モテるだろうし、おかしな話じゃない。


そう理解出来ているはずなのに……春に依存しつつある私にはとても衝撃的だった。

その身体を知っているのは私だけじゃないんだ、って。



……あの話を聞いた後から春とは口を聞いていない。

何か話さなきゃとは分かっているけど、なんだかちょっと気まずくて…会話しずらい。

春もそれに気づいてなのか、少しばかり話しかけたそうな素振りは見られたものの、結局何も言わずに離れてく。



あの話を聞いてから2日。


その間家の中はとても静かで

今日で3日目が過ぎようとしていた。



(さすがに……会話しないとダメだよね)



閉店時間まで残りわずか。

それまでに帰って何の話題を春に振ろうかと必死に考える。



(やっぱりあの映画の試写会観にいきたい、とか?)



そうすれば春は喜んでくれるだろうか。
来てほしそうな顔、していたし。



できれば観たくない。

キスシーンがあるなら尚更。



でも、だけど

春が喜んでくれるなら……
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