【続】酔いしれる情緒

「用事があるって言ったのに……」

「安藤に言い忘れたことがあって」

「言い忘れたこと?」

「今度同窓会に似た集まりがあるんだ。俺と安藤がいたクラスの集まり。それに安藤も参加しないかな〜って。」

「あー……いや、私は……」



もちろん、断ろうとした。


が。



「絶対に楽しいから!俺が保証する!!
だから気分転換にでも来て欲しい…」

「………………」

「あ、あと!
安藤に借りたままの本も返したいし…!
それから、えーっと…」



分かりやすく慌てふためく佐藤くんを見て何をそんなに必死になっているんだろうと思いながらも、不思議と口元は緩む。


同窓会か……確かに、久しぶりにみんなに会ってみたいかも。


大人数なら佐藤くんと2人っきりになる訳でもないし……それなら。



「…分かった。参加する」

「本当か!?」

「うん。また何か詳細出たら教えて?」

「えーと…じゃあ!連絡先交換しよう!」



そんなこんなで、佐藤くんとは連絡先を交換した。


私の携帯に新たに『佐藤くん』の文字が増えて



「じゃあまた連絡するわ!」

「うん、待ってる」



私達はそこで解散した。


例え結婚していたとしても……集まりに参加するくらいはいいはずだ。

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