【続】酔いしれる情緒

家に着き、いつも通り夕飯の準備にとりかかる。


春はまだ帰って来ていない。


その間ずっと同窓会のことを考えてた。
そして佐藤くんのことも、少し。

私によく気づいたなーって。

あの頃から劇的な変化はないけど、そうだとしても数年前を最後にずっと会っていない人のことをよく覚えているなと。


佐藤くんもあの頃と変わらずだった。

変わったところを探すとすれば……身長が少し高くなっていたことと、服装がブレザーからスーツに変わったこと。


…学生の頃も佐藤くんはよくみんなに弄られてたっけ。
弄って、返ってくる言葉が面白いからって。



(スーツ姿違和感なかったのに)



今日聞いた話からしても、大人になった今でも弄られキャラは変わってないみたいだ。


佐藤くんのことを思い浮かべると不思議と笑みがこぼれる。

と。



「………あ。」



玄関の方。そこから音が聞こえた。

火を止めてその場所へと向かう。
< 58 / 246 >

この作品をシェア

pagetop