【続】酔いしれる情緒
「おかえり」
春は一瞬目を丸くさせたが、スグにふわりと笑った。
「ただいま」
「お風呂沸いてるよ。ご飯まだちょっと時間かかるから先に入ってて」
「じゃあ…そうさせてもらおうかな。」
「うん」
「………………」
「ん?どうかした?」
お風呂場へと向かった春だけど、その中に入る前にまた私に瞳を向けた。
ジッと見てくるから不思議に思ってそう声を掛ける。
すると春は開けたばかりのドアをぱたりと閉めて戻ってくると、
私の顎を掴んではクイッと顔を上に向かせて
「は、春…?」
春の瞳が上から真っ直ぐ私を見下ろした。
「何かあった?」
「え…?」
「顔にそう書いてある」
「えっ…と……」
「あったんだ」
なんで……分かるんだろう。
そんなに分かりやすいかな、私。