無意識ストレイト



この人の、好きな人に___いちばんになったら。



一直線に私だけを見て、私の名前を呼ぶのかな。

好きだと、伝えてくれるのかな。

私を捉えたまま、目を閉じることはないのかな。



そんなことを考えたら、それから彼方くんのことしか考えられなくなって、


彼のいちばんになりたいなんてそんな、不釣り合いな恋心が大きくなっていくばかりだった。



気づいた時には気持ちが大きくなりすぎてて、引き返せなかった。


それでも私は。こんな感情を持ったことのなかった私は。

この気持ちをどうしたらいいのかわからなくて、何もしなかった。



< 5 / 22 >

この作品をシェア

pagetop