無意識ストレイト
.無意識的に、想い
*・゚・*:.。.:*・
「鈴野(すずの)」
いつもと変わらないとある日の放課後。
真悠はすぐに部活に行ってしまって、私はゆっくり帰りの準備をしながらちょうど帰るところだった。
まだざわざわと騒がしい教室内で、誰かが私を呼んだ。
顔を上げるとそこに立っていたのは、背の高い男の子。
顔は整っていて雰囲気は柔らかく優しそうで……この人のことは知っている。去年のクラスメイトだ。
「高島(たかしま)くん。何かあった?」
知らない人ではないけれど、高島くん_____高島 朔(さく)くんはもうクラスメイトではない。
隣のクラス。__彼方くんと同じ。
去年も少し喋るくらいで仲が良かったわけでもない。
そんな私に何か用だろうか、と少しキョトンとする。
そんな私に高島くんは微笑むような優しい顔で答える。
「ちょっとついてきてほしいんだけど、このあと大丈夫?」