好きよりも、キスをして
「私は、結果だけを考えるのは嫌だなって……そう思ってる、だけ。
その過程も、大事にしたいなって。どうせなら、楽しい思い出がいっぱいの方が、お互いにとって良いでしょ?」
「まあ、そうだな」
「だから――期限は決めたくない。いつまでの関係とか、あと何日で終わるとか。そんなのは、私は嫌だ。
だから、私が嫌になったその時は、静之くんは迷わず私に別れを告げて。私は、それに従うから」
「……」
「……た、たぶん。従うから」
強気な態度が一転。
静之くんに説明しながら、頭の中で考えてしまった。
例えば、今この瞬間に「別れよう」と言われたら、私は従順になれるだろうか?「分かった」と大人しく引き下がれるだろうか。
たぶん、無理だ――
きっと私は、別れを切り出された時に、少なからず抵抗を見せると思う。