好きよりも、キスをして
冷水を浴びたように、頭からサーと温度が下がる。
だって静之くん、今、ベッドって言ったよね?そう言ったよね?
もしかして、その部屋の名前って……
「し、寝室……?」
「そーそーあたり。しかもキングサイズだ。これならベッド一つでも狭くねーな」
「(ベッド一つ!?)」
頭が大混乱する私を、静之くんは「ホイ」と言って手を離す。
すると重力に従って、私は真っすぐ下へ落ちる。そして、ボスンと――柔らかいベッドの上に着地したのだった。
「本当にベッドだ……」
呆然とする私に、静之くんは「何やってんだ、早く来い」と私を呼ぶ。
見ると、今まで立っていた彼の姿は今はなく、既にベッドに横になっていたのだった。