好きよりも、キスをして
「(まあ、いっか。どうせ当てられないだろうし)」
のらりくらり。授業を、この学校生活を、かわしていけばいい。
何も私は、静之くんみたいに、信念があって学校に通っているわけじゃない。
「よし、じゃあこの問題は澤田。今日は答えられるか?」
「……わかりません」
「お前、やっと声が出るようになったんだなぁ!にしても、分かりませんはダメだろ。課題の問題なんだぞ?調べてでも答えをだしてこい」
「……」
「返事は?澤田」
「……はい」
当たり前に卒業を待っている私。
例え授業中であろうとも、頑張る気力は起きなかった。
◇
だけど、その日の帰り道。
隣にいる沼田くんから、奇妙な事を言われる。