好きよりも、キスをして
コツン
机の中に入れる際に、何かに引っかかって、上手く入らない。何度か試みたけど、やっぱり途中までしか入らない。
おかしいな。私、机の中に、何も残してないはずなんだけど――そう思いながら、身を屈めて、机の中を覗き見た。
すると――
「(青い、ノート……!?)」
いつか学校で緋色に渡した青いノートが、今、私の机の中に、入っているのだった。
「(え、なんで!なんで、緋色が……緋色が、入れてくれたの?)」
目の前の光景が信じられなくて。震える手で、ノートに手を伸ばした。
頭の中で「誰かがイタズラで私に入れたのかもしれないし」と期待にブレーキをかけてみる。だけど、震える手はもう緋色の事しか考えてなくて。
キーンコーンという、チャイムの音にも気づかなかった私。
必死にノートを手に取り、そしてパラパラと。何か書かれていないかと、目を皿のようにしてめくった。