好きよりも、キスをして

それらは、寝て夢を見ないと、解決しないわけで……。

だけど、「早く夢の中へ」と思えば思うほど、全くと言っていいほど寝られない。


観念して、私は静之くんにメールを打つ。


「好きです」と告白をされたまま、返事のつくことのないスレッドに、私の言葉が後に続く。

そうだ、告白の事も詳しく聞かなきゃ――と思いながらメールを送る。



「(寝られない時は、どうしたらいいですか?)」



なんとストレートな質問だろうと思った。送信した後に、「こんな子供みたいな質問をして申し訳ない」と思ったほど。

すると案外にも早く、スマホはブブブと震えた。静之くんからの返事だった。



「(知らねーよ)」



期待して中を見た私。だけど、期待して損したと、肩を落とす。


すると、スマホがブブブと、また震える。こんなに矢継ぎ早に。


差出人は、もしかしなくても静之くんだった。さっきの短い返信に負けない、短い文章が並んでいる。

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