好きよりも、キスをして
「(しずの、ひいろ……?)」
授業中、突然ブブと振動した私のスマホ。
滅多に鳴らない私のスマホが、授業中に――?
気になって、念のため確認すると、さっきのメールが届いていた。
「(これって、告白……だよね?)」
私、澤田朱音(さわだ あかね)が告白されたのは、この15年間で初めての事で……。
そして私自身は積極的なタイプでもないから、告白した事がない。
だから――今まで付き合ったことがない。彼氏ゼロ=年齢。
「(そんな私が……告白されてる……!?)」
だけど、分からないことが一つ。いや、二つ。
「(静之緋色(しずの ひいろ)って……あぁ、そう。クラスメイトだ。だけど、一度も話した事ないよね?そればかりか、目を合わせたことも、挨拶をしたことも……)」
そんな相手が、なぜ私の連絡先を知っているかと言うと、クラスのグループラインにお互い登録しているから。
きっとクラスの連絡先から、私を見つけて個別にメッセージを飛ばしてきたんだろうな。