好きよりも、キスをして
「たまたま、とか、偶然、とかじゃねぇ。俺とお前の波長が合ってるから、いつだって夢で合流できる。
この世界は夢だ。その夢を、俺とお前で共有して、時間を共に過ごす。いわば、第二の生活みたいなもんだな」
「(第二の生活……!?)」
え、それって……まさか夢の中で静之くんとずっと一緒ってこと!?この部屋で衣食住を共にするって事!?
「(絶対に気を遣う!い、嫌すぎる……っ)」
私の表情から漏れた「拒絶」を見たのか、静之くんは「露骨に嫌そうな顔すんな」と、フンと不機嫌に鼻を鳴らした。
「仕方ねーだろ。波長が合うってことは、反対をいえば――嫌でも一緒になっちまうって事だ。
これから毎晩、お前と一緒とか…………。はぁ、俺の身にもなれよな」
「(ムカ……ッ)」
私だって望んでここにいるワケじゃないのに!という言葉を、なんとか呑み込む。
そう、ケンカをしている場合じゃない。
この世界はタイムリミットがあるからだ。
あのブザーが鳴ったら、また朝になり、学校が始まる。その前に、疑問に思ったことは、全て聞いておきたい。