好きよりも、キスをして


その感情が、どうして湧いたかは分からない。

もしかしたら、今朝抱いた罪悪感から来ているのかもしれない。はたまた「夢の中で会える特別な人だから」って思いがあるのかも……。


だけど、いい。


理由は、どうだっていい。私は、とにかく、静之くんの事が知りたくなったのだ。



「(今晩も楽しみだな……。静之くんと話すと、聞きたいことがドンドン増えてくる)」



静之くんに言ったら、呆れられるかもしれない。「変な女」と引かれるかもしれない。「キモ」とうざがられるかも。

「俺はお前の事なんて微塵も知りたくない」と一蹴されるかもしれない。



だけど、勇気をだしてみたい。



勇気を出して、静之くんの事を聞いてみたい。


そう思わずには、いられなかった。


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