好きよりも、キスをして
静之くんの切れ長の瞳の中には、真っ赤に染まった私が映っている。拘束された両手は頭の上で固定され、私は本当に、あられもない姿になっていた。
恥ずかしすぎて、この先どうなるのか不安で――ジワジワと、瞳に涙がたまる。
そんな私を見て、静之くんは少しだけ体を引いた。「やり過ぎた」って気づいてくれたのかな……?
だけど、私の淡い期待は、この後、すぐに打ち砕かれる。
静之くんは自分の唇をペロリと、舌なめずりした。
そして――
「いいねぇ、最高にそそる」
まるで獲物を狙うハンターのように、目を爛々と光らせる。
そして更に鋭く、私を見つめるのだった――