惑溺幼馴染の拗らせた求愛
「麻里」
「んっ……!!」
明音は麻里の想いに応えるように、何度も唇を啄んだ。数秒の息継ぎが狂おしいほどに切なくなる。
「全部、受け止めてくれるか?」
幼馴染以上の関係になるということは、明音の未来も欲望も丸ごと貰い受ける覚悟が必要だった。
「うん。全部……ちょうだい」
他の誰にもこの役目は渡さない。渡してたまるか。
明音は麻里を易々と抱き上げると、寝起きしていた両親の寝室に連れて行った。麻里をベッドに下ろすとその上に跨り、ジャケットを脱ぎネクタイを解いていく。些細な仕草のひとつひとつにいちいち胸をときめかせてしまう。ワイシャツの胸元がはだけ、胸板が露わになる。細身なのに筋肉がしっかりついていて、惚れ惚れするほど逞しかった。
つい、早く早くとねだるように明音を見上げる。
優しい幼馴染はもういない。男としての本能を剥き出しにした明音は麻里の服を強引に剥ぎ取った。
流れる空気が甘い。互いの吐息が混じり合い、息を吸えば吸うほど頭が蕩けてくる。
「麻里、綺麗だ」
明音は麻里の痴態を褒め、柔肌の至るところを舐め齧っていく。
言葉にならなかった。恥ずかしくてむず痒いのに、もっとして欲しいと願ってしまう。
「誰にも渡したくない」
明音の容赦のない愛撫はその日一晩中続いた。