惑溺幼馴染の拗らせた求愛
「うわあ…‥懐かしい!!」
書斎の本棚の中に見覚えのある背表紙を見つけ、麻里は歓声を上げた。小学校の卒業アルバムだ。ページをめくっていくと、次々と懐かしい思い出が紐解かれていく。
「ふふ、可愛い」
個人写真、スナップ写真と続き最後にクラスの集合写真が目に留まる。そこには麻里の隣に立っている鷹也を睨む明音の姿が克明に映し出されていた。思うところがあり、明音の写真をジイッと眺める。
あれ?ひょっとしてこの頃から……?
「なーにサボってんだよ」
「バレたか」
麻里は戯けるようたははと笑った。明音は麻里の背後から卒業アルバムを覗き込んだ。思い出話に花が咲く。
「本当にこの頃から麻里は無茶苦茶だったよな。柿取ってこいとか、川で遊ぶとか……。虹の端を見るまで家に帰らないとか……」
「忘れてよ……」
「忘れるわけないじゃん。言ってなかったけど、俺の初恋は麻里だから」
それを言うなら麻里だって……。明音はアルバムを本棚に戻し、麻里を抱き寄せ唇を啄んだ。それだけでは飽きたらず、胸の膨らみに手をかける。
「ちょっと!!部屋の片付けに来たんでしょう!?」
「最後の思い出にここで麻里を抱きたい」
「あ、もう。こら!!」
明音の手がスカートの中をまさぐり、下着に指がかかる。
「大丈夫。絶対に満足させるから」
何が大丈夫だ。この変態。口を塞がれたことで、罵倒は喉の奥に引っ込んだ。
「や、あ……」
麻里は漏れ出る吐息を必死に我慢した。快感に溺れる声など出して明音を無駄に喜ばせてなるものかと半ば意地になる。