結んでくれたのは
【第1章】
「こ、ここが…体育館……」
間に合ってよかったぁ。
切らした息を整えるために、大きく深呼吸する。
校門から続く立派な桜並木を抜け、体育館に辿り着いたわたしは、ステージ横にある大きな時計に目を向ける。
式がはじまるどころか、受付開始時間からまだ少ししか経っていない。
満開の桜があまりにも綺麗で、時間を忘れて眺めていた。
だが、ふと気づくと、周りに誰も見当たらず。
入学式はじまっちゃったのかと思ったぁ。
校門をくぐったときには、何人かいたはずなのに。
まぁ桜ばかり見ていたわたしが悪いんだけど。
ちらほらと散らばっている人影を見ながら、改めて体育館を見渡す。
市内屈指のマンモス校で、学校自体もとても大きい。
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