冷徹パイロットは極秘の契約妻を容赦ない愛でとろとろにする
切望の眼差しを向けられて思考が鈍る。
ふわふわした甘い感覚と一緒に視界が滲んだ。
愛おしさで胸がいっぱいだと、涙腺に繋がるんだ。
頷く私を見て、駆さんも苦しいような切ないような顔をする。
熱く視線が絡んだ直後、彼はそっと唇を重ねてきた。
「安奈、好きだ」
「私もです、駆さん」
小さな声で想いを確かめる。
それが合図となって、私たちは求めあった。
うすく開いた私の唇に、駆さんの厚い舌が遠慮がちに差し込まれ、中を蹂躙する。
「あっ……」
舌先で上唇の裏、時々下唇の裏をじりじりと焦らすように侵されて、また泣きたくなった。
優しく撫でられているようなのに、いやらしい。
口腔から感じる官能は伝染して、私の胸、そして下肢にまで電流のように流れていく。
まるで全身を、駆さんに触れられているみたいだ。
「んっ……ふぁ」
舌に絡まる唾液が増えて、角度を変えて絡めたり食んだりするたびに、卑猥な水音が部屋に響いた。
自分がおかしくなりそうで怖い。けれど、もっと駆さんがほしい。
矛盾しているけれど、体が止められない。
「はっ、ダメだ。可愛すぎる……抱きたい。嫌だったら、正直に言ってくれ」
キスに没頭している最中、わずかにできた唇の隙間で駆さんが甘い吐息を吐く。
「……っだ、ダメじゃ……ないです」