冷徹パイロットは極秘の契約妻を容赦ない愛でとろとろにする

俺は月の半分、フライトに出ているため双子を世話する安奈への負担が大きすぎる。
そのため普段から、互いの実家に全面的に協力してもらっているのだ。

安奈は萌乃の口から哺乳瓶を取り出すと、彼女を前傾姿勢にさせ、丸まった柔らかい背中をとんとんと叩く。
食欲が満たされ黙って一点を見つめる萌乃の顔が愛らしくてつい頬が緩んだ。

それは安奈も同じようだ。彼女は愛おしさが溢れ出るような眼差しを春乃に向けていた。
盛大なげっぷを聞き、安奈と目を合わせて笑う。

「駆さん、お風呂も沸いてるしご飯も用意できてるよ。こっちは私がやっておくから」

「ありがとう。その前に少しゆっくりしてもいいか」

安奈に断りを入れ、手を洗いに行く。
すぐに三人がいるリビングに戻り、安奈の隣に腰かけた。

「駆さん、ハワイまで飛んでたんだよね。疲れてない？」

安奈は目を細め、俺を気遣ってくれる。
彼女の大きな瞳もうっすら充血している。俺よりも寝れていないはずだ。
安奈がくれる小さな優しさに、より愛おしい気持ちが膨れ上がる。

「いいや、まったく。安奈たちの顔を見ていたら疲れが吹っ飛んでしまった。安奈こそ、大丈夫か」

そっと彼女に頭を撫でると、安奈は口角を上げて何度か頷いた。