冷徹パイロットは極秘の契約妻を容赦ない愛でとろとろにする

まわりにちらほらとクルーがいたので、顔の前で一指し指を立てる。
信頼できる真由子には、最近結婚相談所で知り合った人と結婚したとざっくり伝えてある。
本当は全部話してしまいたかったけれど、駆さんと会社と三者で話し合った結果、職場の混乱を避けるために真由子にも相手は明かさない方向になった。心苦しいが仕方ない。

「というわけで、無口な旦那さんと仲良くなっていきたいの。真由子、何かいい方法ある？」

恋愛マスターの真由子に思い切って駆さんのことを相談すると、彼女は「あっ」と何か思いついたような声を上げる。

「せっかく美味しいお土産もあるんだし、食べながら一緒にネトフリ観るのはどうかな!?」

「えっ！　そ、それは……」

「無口なんでしょ？　映画観ている間は無理して会話しなくていいし、観終わったら共通の話題ができるじゃないの」

真由子の言い分に納得はするけれど、駆さんがそんな高度な誘いに乗ってくれるとは思えない。

(でも、もしかしたらもしかしたらもあるかな)