冷徹パイロットは極秘の契約妻を容赦ない愛でとろとろにする
すぐに声の主が見えてくる。
菅原チーフだ。
私はついハッとしてその場に固まった。
彼女の横に立っていたのは、数日ぶりに見る駆さんだった。
しかも彼は、私が見たことがないような優しくて温かい笑みを浮かべている。
二人の体は寄り添い合い、まるで恋人のようにも見えた。
「ってあれ、宮沢さんと村瀬さんじゃない。お疲れ様」
「菅原チーフ、五十嵐キャプテンお疲れ様です」
彼らも私たちに気付き、真由子が元気よく話の輪の中に入っていく。
顔を上げると、既に駆さんは笑っていなくて無表情で私を見つめていた。
「いやぁ、天候が安定してなくて久々にハードだったわ。駆もお疲れモードよ」
菅原チーフは笑いながら、駆さんの肩を叩いている。
ふたりはどうやら、今回の国内線のフライトで同乗したらしい。
親しいとは噂に聞いていたけれど、想像以上だった。
「じゃあ先に失礼する。お疲れ様」
「あ、私も」
話を切った駆さんに続き、菅原チーフも笑顔を残して私たちの前から消えていった。
「そういえば、あのふたりって結局なんだったの?」