冷徹パイロットは極秘の契約妻を容赦ない愛でとろとろにする

一緒に暮らし始めて、彼女の見たこともない一面を知った。
見えないところでこうやって努力を惜しまないところも……。

(そういえば弁当にハンバーグを作っていることも知らなかった。そしてよく焦がしている)

知れば知るほど、彼女への愛おしさが膨れ上がっていく。
本をめくりながら視線を上げ、彼女の寝顔を盗み見た。

(なんて可愛いんだ)

うっかり口に出しそうになり、急いで口を結ぶ。
と同時に、安奈が大きく寝返りを打った拍子にブランケットがずり下がった。
すぐさま本をテーブルに置き、床に落ちたそれを拾い上げる。

(風邪を引いたら大変だからな。本当はベッドでしっかり寝て欲しいが)

彼女のまるまった体にブランケットをかけたその時。
突然を手が伸びてきて、がしっと腕を掴まれた。

「!?」

「駆さんのばか……寂しいよ~」
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