冷徹パイロットは極秘の契約妻を容赦ない愛でとろとろにする
「……っ」

優しく笑いかけられて、カッと頬に熱が集中する。
やっぱり駆さんの笑顔はまだまだ見慣れないから動揺してしまう。
それに最近は、今までとは百八十度違って思ったことを素直に伝えてくれるから、調子が狂いっぱなしなのだ。

「じゃあまた作ってもいいですか? ひとり分作るのもふたり分作るのも変わらないし」

「また失敗するんじゃないのか」

「も、もうしませんって」

彼は肘をつき、焦っている私を見る。
甘さと大人の余裕を感じる彼の微笑みに、心臓がドキドキと速まった。

(こ、この空気……慣れない。どうしたらいいの)

とっさに空気を変えるために、その場で姿勢を正す。

「そ、そういえば、駆さんに相談がありまして……今度、男性を交えた食事会に行かせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか」
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