冷徹パイロットは極秘の契約妻を容赦ない愛でとろとろにする

話しの流れで、菅原チーフに言われた言葉がふと頭に蘇る。

「昨日、グリーフィングの時に、菅原チーフがみんなの前で駆さんが私のこと心配してたって口を滑らせちゃったんです」

「は?」

駆さんは私の言葉に激しく動揺する。
今がチャンスだとばかりに、私は思い切ってずっと気になっていた例のことを尋ねた。

「あの、駆さんと菅原チーフってただ仲がいいってだけじゃないですよね? もしかして元カノとか?」

「それは……」

駆さんは口を結ぶ。
言葉に詰まるということは、ただならぬ関係だということを肯定しているようなものだ。

(ようやく真実が解き明かされるっ……)

緊張でゴクッと喉を鳴らしたその時、彼は片眉を上げながら私を見た。

「有紗はうちの実家の隣に住んでる、二十年来の幼なじみなんだ」
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