冷徹パイロットは極秘の契約妻を容赦ない愛でとろとろにする
すべて話し終えちらりと視線を上げると、駆さんは目を細めた。
瞳の奥は穏やかな光が灯り、揺れているように見える。
「い、色々と話過ぎて恥ずかしいです」
「別にいいだろ。安奈の接客は有紗もよく褒めている理由が分かったよ」
菅原チーフも私のことを噂していたなんて。
でも知らないところでふたりが心配してくれていたり、褒めてくれるのは照れるけれど嬉しいものだ。
「……それでさっきの合コンの話に戻るが、安奈はいい男性に出会いたいとは思っているのか?」
「!?」
突拍子もない質問に飲んでいたお茶を吹き出しそうになる。
グッと堪えて息を整えた。
「いえ、私恋愛にそんなに興味はないので。本当にただの数合わせに行くような感覚ですから」
はっきりと伝えた私に、駆さんは難しい顔で小さく息を吐いた。
「……君のメンツもあるから今回の件は仕方ない。ただし、人事部にはバレないようにしてくれ。仮にも君は俺の妻だ、互いの印象が悪くなる」