純心と屈折と/少年に心を掴まれた少年
その2
「オレも一冊本持ってくるわ。宇宙人ものあるかな…(苦笑)」
ユウトはこう言って椅子から立ち上がると、科学カテゴリーの棚に歩いて行った。
彼のカラダは一旦、律也の視界から消えた。
それでも、彼はその視線をカレの消えた方角に向けたままにしていた。
それは、アイツを目で追いかける…、という動作とイコールだった。
***
彼はすぐに戻って来た。
宇宙人関連の本を小脇に抱えて…。
で…、両手は白いジャージにつっこんでいた。
うがった見方をすれば、これは二人の間のシグナルになり得たのかも知れない。
この後、彼らが成す行動を思えば…。
再びユウトは律也の隣に座った。
しかし、さっきより二人の間が狭い。
何とも微細で作意的な身の移動、こなし…、それ自体、少年たちの健気さを匂いたせる動作にも映る。
***
図書室に準じたココは、静かな空間で人の目も全くと言っていいほど届かない。
二人にとっては、まさに”大丈夫な場所”そのものだ。
そう…、二人の少年が頭に描く”情事”には、ノーノイズの格好の場と言えた。
宇宙と宇宙人の本へ目線を落とし、傍からは見れば間違いなく各々、読書中であるユウトと律也はいつの間にか、また、互いのポッケに手が伸びていた。
その目線は本から離さずに…。
もはや少年二人の行為は、流れるようだった。
***
次第に下半身をモジモジさせた二人の少年は、互いを見つめ合ったいた。
そしてアイコンタクトは成立した…。
ユウトがまず手を抜くと、律也の左手もジャージのポケットから去って行く。
名残惜しそうな動作を伴って…。
そしてその後約数分の間で、少年たちの二つの片手による前戯は挙行された…。
取り敢えず、二人は息を整え、静かに席を立った。
その後、ユウトは本を元の場所に戻しに行った。
それを見届けながら、律也は先に”前戯の間”から去った。
***
律也がゆっくりと階段を下りていると、ユウトが駈けてきて、すぐに追いついた。
だが、ユウトはそのまま相棒を追い越し、階段を走って下りてゆく…。
その後ろを律也も走って追った。
二人が走って飛び来んだのは、1階の男子用トイレ…。
正確には大便用の個室だった。
幸いジャマ者はいなかった。
二人の純真な遊戯は、どこまでもスムーズ極まりなく流れるように進行していくようだった。
”カチャッ…”
個室のカギが閉めまった、その低い音響…。
それはこれから始まる、少年たちのエロスというステージ開始を告げる厳粛なゴングの音だったのか…。
「オレも一冊本持ってくるわ。宇宙人ものあるかな…(苦笑)」
ユウトはこう言って椅子から立ち上がると、科学カテゴリーの棚に歩いて行った。
彼のカラダは一旦、律也の視界から消えた。
それでも、彼はその視線をカレの消えた方角に向けたままにしていた。
それは、アイツを目で追いかける…、という動作とイコールだった。
***
彼はすぐに戻って来た。
宇宙人関連の本を小脇に抱えて…。
で…、両手は白いジャージにつっこんでいた。
うがった見方をすれば、これは二人の間のシグナルになり得たのかも知れない。
この後、彼らが成す行動を思えば…。
再びユウトは律也の隣に座った。
しかし、さっきより二人の間が狭い。
何とも微細で作意的な身の移動、こなし…、それ自体、少年たちの健気さを匂いたせる動作にも映る。
***
図書室に準じたココは、静かな空間で人の目も全くと言っていいほど届かない。
二人にとっては、まさに”大丈夫な場所”そのものだ。
そう…、二人の少年が頭に描く”情事”には、ノーノイズの格好の場と言えた。
宇宙と宇宙人の本へ目線を落とし、傍からは見れば間違いなく各々、読書中であるユウトと律也はいつの間にか、また、互いのポッケに手が伸びていた。
その目線は本から離さずに…。
もはや少年二人の行為は、流れるようだった。
***
次第に下半身をモジモジさせた二人の少年は、互いを見つめ合ったいた。
そしてアイコンタクトは成立した…。
ユウトがまず手を抜くと、律也の左手もジャージのポケットから去って行く。
名残惜しそうな動作を伴って…。
そしてその後約数分の間で、少年たちの二つの片手による前戯は挙行された…。
取り敢えず、二人は息を整え、静かに席を立った。
その後、ユウトは本を元の場所に戻しに行った。
それを見届けながら、律也は先に”前戯の間”から去った。
***
律也がゆっくりと階段を下りていると、ユウトが駈けてきて、すぐに追いついた。
だが、ユウトはそのまま相棒を追い越し、階段を走って下りてゆく…。
その後ろを律也も走って追った。
二人が走って飛び来んだのは、1階の男子用トイレ…。
正確には大便用の個室だった。
幸いジャマ者はいなかった。
二人の純真な遊戯は、どこまでもスムーズ極まりなく流れるように進行していくようだった。
”カチャッ…”
個室のカギが閉めまった、その低い音響…。
それはこれから始まる、少年たちのエロスというステージ開始を告げる厳粛なゴングの音だったのか…。