純心と屈折と/少年に心を掴まれた少年
その3



律也もそんな視線のユウトをじっと見つめ、どこか胸が締め付けられる思いが湧いてきた…。
しばらくしてユウトは口を開いた。


「正直言うと、児童館のトイレで君とした行為、またしたいって気持ちはあるんだ。あの刺激が忘れられなくて…。まあ、あの時の快感思いだしては、しっかり自分で”処置”してる(苦笑)」


律也は率直に嬉しかった。
ユウトが自分と同じ心情ベースでいてくれて、あの時、二人が激しくイキあった行為を思い出しては、ちゃんと自慰行為に励んでいた…。
あくまで、ヨーコという年上の彼女とエッチするのとは”別もの”と捉えて…。


それを彼の方から直接告白されたことで、律也の中の”純真”が肯定された気持ちになれたのだ。


”僕らのあの行為は、背徳と屈折だけで導かれたもんじゃんないんだ!”


これが、律也の胸中に他ならなかった。


***


「オレもまた、アレを君とやりたいって欲望とはさ、いつも戦ってる気がするんだ。でも、あの時の純真な気持ちも大事にしたいってね。何しろ、ユウトの気遣いを無にしないと、自分に言い聞かせるよ」


ここで二人は視線を交わし合ったまま、しばし無言で笑みも交換した。


「…一応、最低限、チヅルさんのこと言っとくよ。苗字は小橋っていうんだ。ヨーコとは高校が一緒で、今は特定の男はいないってことだけど、真に受けないほうがいいかも。どちらかというと、遊び好きだろうね。でも、そのことを承知で、今回律也には取り持ちしたいんだ。理由は先日の川原で言ったことにつながるよ」


「ああ…。ありがとう、ユウト。ちなみに、チヅルさんの第一印象、色っぽい人だなってね(微笑)」


「そうか…。ちょっと安心したかな。はは…」


二人はそこで切り上げた。


かくして3日後の夜…。

律也は今だ愛しい純真なキモチを抱く青島ユウトと、彼の彼女がいる酒の入った場に赴くこととなった。
そこでは、ひとつの部屋の中で、自らも年上の女性と二人の時を費やすという、何ともなシュチエーションに身を投じることとなる…。




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