結ばれない二人
教育係になってすぐに休んでしまった俺。
「あー。すみませんでした。大丈夫でした?」
「はい。都度、メールで指示をいただいていたので大丈夫でした。」
リモートで業務をしながら俺が居なくてもできる業務を彼女に指示はしていた。

とはいっても、入社して間もない彼女ができる仕事は限られている。

それを考えて、指示するのは結構な負担だった。
「今日、いろいろと確認させてください。」
「はい。よろしくお願いします。」
この松本という新入社員、かなり距離が近い。

朱莉との距離が近いのは全然嫌じゃないのに。むしろ触れたくなるほどもっと近くに居たいと思うのに、彼女の距離の近さは苦痛に近い。

そっと彼女と距離をとりながらいつものように5階に着いた。
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