結ばれない二人
「先輩、これ、どうしたらいいですか?」
「それは重いから、俺が後で運ぶから置いといて。」
仕事中にも何度も松本から声がかかる。

あーペースが乱される。
そんなことを思いながらも仕事だと割り切って、今目の前にある仕事を終わらせるのに必死な俺。
それには理由がある。

今日もこのオフィスでデリバリーを頼むだろう。
その時に、朱莉が来るだろう。
だとしたら、朱莉の体調が大丈夫かこの目で見て確認したい。

いや、それはただの言い訳だ。

ただ朱莉に会いたい。
朱莉と話がしたいだけだ。
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