結ばれない二人
「大丈夫です。ありがとうございます。先輩優しいですね。」
「・・・当たり前だろ。」
内心、朱莉と会うためのことしか考えていない俺。
それを知らずにお礼を言われて正直心が少し痛む。

「拾ったら昼休憩入っていいから。少し休みな。」
罪悪感からの言葉を口にしながらも、その間に仕事を進めようと考えてしまう俺。
最低だ。

すべての物事の中心が朱莉でしか考えられない。

俺はハイスピードで書類を拾って並べ替え、無事に昼前にメールも送信した。

「ありがとうございました。」
いつものようにデリバリーに来た朱莉。
心配していた顔色も大丈夫そうだ。
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