結ばれない二人
時計を見ると18時半を過ぎている。
おかしい。
何かがおかしい。

俺は車に乗り込んだ時にそのおかしいと思った感覚が確信に変わる。

車の中にかすかにコーヒーの香りがした。
カフェで一日仕事をした朱莉がこの車に居たからだろう。

俺は慌てて車の外に出て朱莉の携帯に電話をする。
何度もなんでも電話をしても出ない朱莉。

カフェに行ってみてもやっぱり朱莉はいない。

何があった?
いつだってこうして朱莉が突然俺の前から消えてしまうことにおびえていた俺。

すぐに車のエンジンをかけて、車を走らせる。
朱莉が居そうな場所を探しながら、マンションに着く。
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