結ばれない二人
「朱莉っ!」
かすかにゆすられる体。
じっとりと体に汗をかいていることが分かる。
思わず目を開けるとそこには修平が心配そうに私を見つめていた。

いつも、体調が悪くなるとこの夢をみる。

全身ががくがくと震えて止まらない。

「おいで」
修平はそう言ってぐいっと私の体を抱き起し、そのまま抱き寄せる。
背中を撫で、髪を撫で、耳元で何度も何度も大丈夫と繰り返す。

「・・・ごめんね・・・」
私は彼に聞こえるか聞こえないかの声でそうささやく。
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