結ばれない二人
今だって結局彼の優しさに寄りかかってしまっている。
どうしてうまくできないんだろう。

いつだって。

どうして。

どうして。

「朱莉、ゆっくり息しろ。大丈夫、大丈夫。」

パニック障害の発作はいつだって私を容赦なく襲ってくる。
冷静なときは、水を飲んだり、体を締め付けるものを外して深呼吸をしたり、意識をそらしたりするのに。

余裕がない時は襲ってくる発作を回避できない。
「大丈夫。」
全身ががくがくと震えて、嫌な汗をかき、やけに手足が冷え始める。
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