結ばれない二人
こんなだもの。
私の隣を離れるなんて、今の彼にできない。

心配や不安、後悔しかあげられない。

「大丈夫。大丈夫。」
早く発作を止めないと。

焦って余計に呼吸ができなくなる。

「薬飲もう。」
彼は少しだけ体を離して、すぐ近くに用意してくれていた薬を私の口に入れる。

少しだけ離れた彼のぬくもりに、寂しさを感じる自分にも私は罪悪感が消せない。

「大丈夫」
そう言って再び私を抱きしめてくれる彼のぬくもりに、心の底から安心してしまう。
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