結ばれない二人
「今日も一緒に出社したのか?」
「うるさい」
朱莉のことを聞いてくる佐久田。

こいつ、朱莉のことを狙っている。
俺は確信していた。

俺たちの法律事務所はよく朱莉のカフェからデリバリーを頼む。
お客が来た時のコーヒーも、昼食も、夜食も。
一日に何度もデリバリーを頼むこともあった。

朱莉は同じビルの会社のデリバリーも担当していて、仕事中にも朱莉に会えるのが実はうれしい。

その時間に合わせて仕事が終わらせられるようにといつも、目標にすらしていた。
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