一条さん結婚したんですか⁉︎



 誰に何と言われようとも、美郷の頭の中は、超美化されまくった嫁ちゃんで埋め尽くされ、世間一般でいう可愛い女、そして絶世の美女がいくら誘惑しようとも、美郷のどストライクゾーンは、花のみが当てはまるのである。


 普段も寝起き不細工な花ちゃんですが、みー君フィルターによって、美女....ではなく、赤ちゃんのそれに程近い愛らしさ....母性を擽るのです。男ですけどね!


 だけど、天使の様な寝顔に、みー君は毎朝『ハッ天使かと思ったら花ちゃんかっ‼︎いや、でも天使に違いないっ!』と自分でボケて自身にツッコみ、そして花ちゃんに欲情するのがルーティンだ。


 周りは自分と花を見比べて、何故か花の事を悪く言うけれど、俺から言わせれば....何故わからぬ‼︎この究極の可愛さを‼︎


 くしゃみをした時に、ちゃっかり痰を吹き飛ばして、何食わぬ顔で拭くけれど、周りに気付かれていないか、チラ見してるところも可愛い。

 
 本当は恥ずかしい筈なのに、それを必死に隠そうとするのが最高に可愛いのだ。


 嫁の好きなところをあげてみろと、問われれば、俺はずーっと君の良いところをあげてみせるよ。


 だから....俺から花ちゃんを奪おうとする事が許せなかった。


 今更、別の女と?....花ちゃん以外の女とどうこうしようなんて考えられない。



 だって、花ちゃんと過ごす日々は飽きないんだよな〜。




「なに笑ってんのよ。」

「いや〜....花ちゃん可愛いなって、」

「いや、今説教中なんだけど!」

「はいっそうでしたね....ごめんなさいっ。」


 今夜の献立は、花ちゃんの愛情たっぷり和膳。

 焼き魚に煮物、小鉢に和え物、そしてお新香。

 味噌汁には、花ちゃん拘りの特製出汁。それをひと口含めば、彼女の包容力と類似する優しさ。


 料理上手な花ちゃんは、旦那様には常にツンケンしておりますが、本当は旦那が大事で大好きみたいです。



 



 では本題なのですが....


「で、本当に辞めちゃうの?」

「うん。だって、あのアホ社長が....花ちゃんと別れて別の女と結婚しろとか言うから、それだったら辞めるって言ってやった。」

「あーそうなのね。別に私は構わないけど?」

「え、あの....花ちゃん?俺と別れたいの?」

「....どっちだと思う?」



 花ちゃんは意地悪く美郷を見つめる。


 だがしかし、花に上手いことやられた気分だ。


「ぜーったいに別れてあげませんからね。花ちゃんの初めてを全部独占して、尚且つお墓は一緒のとこに入るのは決定事項です。」







(....でも、俺よりも早く死なないでね。寂しいから....。)



 
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