一条さん結婚したんですか⁉︎


 
 ハイスペックイケメン旦那の朝は、新婚ほやほや愛しい奥様が起きる前に、その寝姿に癒されてついついにやけてしまうのだ。

 結局観ているだけでは、我慢の限界を迎えてしまい、結局寝込みを襲うのである。


「みー君なにしてるの。」


 寝起きの花の声は、酒焼けの様にガサついており、昨晩のお盛んの激しさを彷彿とさせる。

 夜中まで続いた愛の営みから解放され、やっとの思いで眠れたというのに....この変態王子様は、朝から元気だ。


「花ちゃんはそのまま何もしなくていいよ。」

「いや、そうは言いましてもね....。その、ね、当たってるんですよ。」

「ん?ナニが?」


 横からチュッチュと頬にキスをしながら、弄る厭らしい手付きが、胸部を捕らえて離さない。

 そして先程から下腹部を撫でるもう一本....。一番粋の良い旦那様のアレ。

 分かってる癖して、意地悪になる。

 

 でも、苛めたい欲求は性行為中だけ。あくまでも愛するのみ。


 彼が触れれば、そこは痺れて熱を帯びる。

 
「今日も朝から可愛いね。食べてもいい?」

「聞いたところでヤるでしょうが、」

「よく解ってらっしゃる。流石は俺の奥さん。」


 これが男の性。奥様朝から大変でございますね。


 さあ朝の一発が終了しますと、後戯もそりゃ~長いのです。



「はあ....仕事行きたくない。」

「さっさと起きなさい。遅刻するわ。」

「そうですよね、大好きな花ちゃんの為に稼がないと....頑張るから、がんばれのチューが欲しいな?」

「はいはい。分かったからとりあえず離れようか....。」



 嫁と旦那の温度差は、天と地ほどの差が在る。


 ドライな花と、情熱的な美郷。


 彼のやる気スイッチを押せるのは、花だけである。



「花ちゃん行ってくるね!!今日も定時で切り上げてマッハで帰ってきます。外出するときは知らない人に声を掛けられても、着いて行っちゃダメだよ?」

「私は小学生か!!」

「違うよ....花ちゃんは立派は女性。俺は心配なんだよ。花ちゃんが他の野郎に盗られるんじゃないかって....。気が気じゃなくて....あ、ヤバい!!そろそろ出ないと!!....花ちゃん行ってきます!!」

 ん!と突き出された口に、咄嗟に口付た花。

 本日も完璧サラリーマンは、愛する妻を自宅に一人残し出社致します。



(一条さん....どうして結婚しちゃったんですか....。)

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