星と月と恋の話
―――――…後ろの席で結月君と隆盛が、そんな不穏な会話をしていたとも知らず。

私はずっと、真菜とぺちゃくちゃお喋りを楽しんでいた。

そして、あっという間に。

「あっ、見えてきた見えてきた」

「おー。着いたね〜」

目的地に到着。

懐かしい。小学校以来の動物園だ。

あのときより、綺麗になってる気がする。

確か、私が小学校高学年くらいのとき、リニューアルオープンしたんだっけ?

私の記憶にある動物園より、ずっと綺麗になってる。

バスから降りて、クラス委員の号令のもと、グループごとに並ぶ。

結月君と隆盛を、チラリと見てみたけど。

二人共、何事もなかったような顔をしている。

あの二人、バスの中でどんな会話したんだろう。

まさかずっと黙りこくったまま、約一時間ここまで移動してきた訳じゃないわよね?

もしそうだとしたら、超気まずかったろうなぁ。

特に隆盛。

「はい、それじゃあこの後は、各班ごとに自由時間になります」

と、クラス委員が説明した。

「移動は必ず班単位で行うこと。単独行動は絶対にやめてください。それから、集合時間までに昼食を済ませておくこと。他の来園者の迷惑になるようなことはしないこと」

注意事項を次々と並べる。

はいはい、分かってるって。

「ルールと節度を守って、楽しんできてください。それでは…解散」

という、クラス委員の号令のもと。

各グループは、班ごとの行動を開始した。

そして、私達も。

「よっし。じゃ、とりあえず…順路に従って動物見物するかぁ」

正樹の号令で、私達も動き出した。

いざ、動物園にレッツゴー。
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