星と月と恋の話
カピバラゾーンを堪能した後は、正樹ご所望のトラやライオンのいる猛獣ゾーンに突入。
おどろおどろしい動物がたくさんいるわ。
さっきまでの、レッサーパンダ、カピバラと来て、この猛獣ゾーン。
落差が激しい。
少なくとも、可愛くはないわね。
「ほら、正樹。あんたのお望みのライオンがいるわよ」
「ふーん…。寝てんじゃん」
「…寝てるわね」
檻の中で、勇ましく雄叫びをあげる…ようなことはなく。
ただいま勤務時間外とばかりに、岩の上に丸まって熟睡中だった。
動物園の動物って、動いているのを見るから楽しいのであって。
ああやって寝てたら、ちっとも楽しくないわよね。
だって、微動だにしないんだもん。
動物にだって動物の事情があるんでしょうけど、見てる分にはつまらないことこの上ない。
ライオンの後、トラも見たけど。
こちらは起きてはいたものの、ただ厩舎の中を当てどもなくうろうろするだけで。
機敏に走り回るでもなく、見ていて面白いものではなかった。
「なーんだ、つまんねぇ」
「あんたが見たいって言ったんじゃない…」
責任持って、ちゃんと見なさいよ。
すると。
「おっ、星ちゃん見て。チーター」
「うん?」
真菜の指差す先には、チーターの檻。
こちらは、ガラス窓のすぐ近くをうろうろしていた。
おぉ、やれば出来るじゃないの。
ようやく見応えのある猛獣を発見。
「へぇ〜。この子はなかなか愛想が良いじゃない…」
と言いながら、ガラスに顔を近づけると。
何故かチーターはこちらをじろっ、と睨んだ。
「何見てんだコラ」と言わんばかり。
そして、ぐるぐると唸り声をあげて、私に向かって威嚇していた。
「…私がこの子に何したって言うの?」
「敵だと思われたんじゃない?」
「何もしてないわよ…」
何故か、無駄に威嚇されただけ。
分かったわよ。去るわよ。去れば良いんでしょ。
お次は、隆盛リクエストの鳥類。
私の中で鳥類と言ったら、メジロとかウグイスとかインコとか、そういう可愛い鳥だと思ってたんだけど。
「…なんか、思ってたのと違うわ」
「え?」
だって、大きい。
私の背丈より大きくて、長い足でたったかたったか走ってる。
これは立派な鶏肉になるわよ。
でも、美味しくはなさそうね。
「これがエミュー…。こっちがレア…」
「あっちはダチョウだって」
成程、全然区別がつかないわ。
多分よく見たら、それぞれ違いがあるんでしょうけど。
パッと見、どれも同じに見える。
かろうじて区別がつくのは、フラミンゴだけ。
あの子達は真っピンクだから。すぐに分かる。
「この子達、こんなに大きな図体して…鳥なのにちゃんと飛べるのかしら…」
どっちかと言うと、走った方が速そ、
「見て、星ちゃん。ここ、説明文」
「うん?」
檻の前に、それぞれの動物の名前と、その動物の簡単な紹介文を記した看板みたいな物が貼り付けてある。
それを読んでみたところ。
「飛ぶことは出来ない…。へぇ…やっぱり飛べないのね」
飛べないのに、鳥なのね。
そういえば、檻の上に屋根がないわ。
その時点で気づくべきだった。
もしこの子達が飛べるなら、屋根がないとあっという間に行方不明になるものね。
屋根がないということは、飛べないということが…。
飛べない鳥なんて、鶏とペンギンしかいないんだと思ってたけど。
意外と他にもいるのね。
何だか勉強になったわ。
でもどうせなら私は、可愛いメジロやインコを見たかったわ。
おどろおどろしい動物がたくさんいるわ。
さっきまでの、レッサーパンダ、カピバラと来て、この猛獣ゾーン。
落差が激しい。
少なくとも、可愛くはないわね。
「ほら、正樹。あんたのお望みのライオンがいるわよ」
「ふーん…。寝てんじゃん」
「…寝てるわね」
檻の中で、勇ましく雄叫びをあげる…ようなことはなく。
ただいま勤務時間外とばかりに、岩の上に丸まって熟睡中だった。
動物園の動物って、動いているのを見るから楽しいのであって。
ああやって寝てたら、ちっとも楽しくないわよね。
だって、微動だにしないんだもん。
動物にだって動物の事情があるんでしょうけど、見てる分にはつまらないことこの上ない。
ライオンの後、トラも見たけど。
こちらは起きてはいたものの、ただ厩舎の中を当てどもなくうろうろするだけで。
機敏に走り回るでもなく、見ていて面白いものではなかった。
「なーんだ、つまんねぇ」
「あんたが見たいって言ったんじゃない…」
責任持って、ちゃんと見なさいよ。
すると。
「おっ、星ちゃん見て。チーター」
「うん?」
真菜の指差す先には、チーターの檻。
こちらは、ガラス窓のすぐ近くをうろうろしていた。
おぉ、やれば出来るじゃないの。
ようやく見応えのある猛獣を発見。
「へぇ〜。この子はなかなか愛想が良いじゃない…」
と言いながら、ガラスに顔を近づけると。
何故かチーターはこちらをじろっ、と睨んだ。
「何見てんだコラ」と言わんばかり。
そして、ぐるぐると唸り声をあげて、私に向かって威嚇していた。
「…私がこの子に何したって言うの?」
「敵だと思われたんじゃない?」
「何もしてないわよ…」
何故か、無駄に威嚇されただけ。
分かったわよ。去るわよ。去れば良いんでしょ。
お次は、隆盛リクエストの鳥類。
私の中で鳥類と言ったら、メジロとかウグイスとかインコとか、そういう可愛い鳥だと思ってたんだけど。
「…なんか、思ってたのと違うわ」
「え?」
だって、大きい。
私の背丈より大きくて、長い足でたったかたったか走ってる。
これは立派な鶏肉になるわよ。
でも、美味しくはなさそうね。
「これがエミュー…。こっちがレア…」
「あっちはダチョウだって」
成程、全然区別がつかないわ。
多分よく見たら、それぞれ違いがあるんでしょうけど。
パッと見、どれも同じに見える。
かろうじて区別がつくのは、フラミンゴだけ。
あの子達は真っピンクだから。すぐに分かる。
「この子達、こんなに大きな図体して…鳥なのにちゃんと飛べるのかしら…」
どっちかと言うと、走った方が速そ、
「見て、星ちゃん。ここ、説明文」
「うん?」
檻の前に、それぞれの動物の名前と、その動物の簡単な紹介文を記した看板みたいな物が貼り付けてある。
それを読んでみたところ。
「飛ぶことは出来ない…。へぇ…やっぱり飛べないのね」
飛べないのに、鳥なのね。
そういえば、檻の上に屋根がないわ。
その時点で気づくべきだった。
もしこの子達が飛べるなら、屋根がないとあっという間に行方不明になるものね。
屋根がないということは、飛べないということが…。
飛べない鳥なんて、鶏とペンギンしかいないんだと思ってたけど。
意外と他にもいるのね。
何だか勉強になったわ。
でもどうせなら私は、可愛いメジロやインコを見たかったわ。